音楽史トライアル(その他)

和声論 その2

長三和音は、モノコルドの弦長の分割から導き出せるように、自然な音響現象としてとらえることができるが、短三和音はそうではない。そのため、長三和音及び長調が主要で、短三和音及び短調は副次的であるととらえられたが、長調と短調が対等な現象であることを理論的に基礎づけようとする試みがである。

この試みは16世紀までさかのぼることができる。モノコルドを等分して和音の音を得るときに、分母を変化させて長三和音を得る分割と、分子を変化させて短三和音を得る分割が対比させられた。前者と後者の分割はそれぞれ、と呼ばれる。上記の理論の基礎のひとつとなったこの考え方を1558年に提示したのは、である。