楽典解説 > 和音の種類(わおんのしゅるい)  p.7

和音の転回(三和音)

実際の音楽の中で、和音は必ずしも Do - Mi - Sol のように下から並んでいるわけではありません。

ハ長調のⅠの和音、Do - Mi - Sol を例に挙げると、下の譜例のように3つの可能性があります。

譜例左のように根音を最低音にしている状態を「基本形」といい、譜例中央のように、第3音を最低音にしている状態を「第1転回形」 といいます。同様に第5音を最低音としている状態(譜例右)を「第2転回形」といいます。

転回形の示し方

転回形を記号で示す方法として、日本では上例のように右上に数字を書く方法が多く用いられています。

この数字は専門用語で「転回指数(てんかいしすう)」といいます。(参考文献 / 音楽之友社 和声 理論と実習)

なお、日本以外では三和音の基本形に「5」、三和音の第1転回形に「6」、三和音の第2転回形に「46」 などと記す方法が多く用いられています。

和音の転回(七の和音)

続いて七の和音での転回を見てみましょう。ト長調のⅤの和音を例に挙げます。

譜例一番左はト長調の属七の和音の 「基本形」 です。次いで「第1転回形」「第2転回形」、そして 第7音を最低音とする「第3転回形」 となります。