音楽史トライアル(ロマン派)

ブルックナー その2

ブルックナーは、交響曲の改訂作業をひんぱんに行なっていた。たとえば、《交響曲第3番》は、作曲されたのちも、書き直されている。ブルックナーは、改訂前の楽譜もきちんと保存していたため、ブルックナーの交響曲には、同じ作品でも違った稿が存在することになった。このため、ブルックナーの楽譜の校訂過程は非常に複雑である。ブルックナーの楽譜の旧全集を校訂していたは、いくつかの稿からとりまとめるかたちで楽譜を校訂することもあったが、新全集の校訂者であるは、それぞれの稿ごとに楽譜を出版する方針をつらぬいた。