コード進行法の基礎 > コードの基本 p.5 カデンツ

ここまで、T→D→T、T→S→D→T、T→S→Tという3つのコード進行についてお話しましたが、

これらは「カデンツ」(Kadenz/ドイツ語)といって、ハーモニーを組み立てるための大事な公式ですので、

しっかりと覚えて下さい。

K1(第1カデンツ):T→D→T

K2(第2カデンツ):T→S→D→T

K3(第3カデンツ):T→S→T

【ポイント】

・Tは、次には、SにもDにも進行できる

・Dは、次に必ずTに進行し、Sには進行しない。

・Sは、次には、TにもDにも進行できる。

譜例8

上の8小節のハーモニーの例では、3つのカデンツすべてが含まれていて、

かつK2が前半の4小節にわたって2度用いられています。 始めの2小節を見ると、

1小節目のTのところでは、Ⅰ△7とⅥm7いう2つのトニック・コードが、

2小節目のSのところでは、Ⅳ△7とⅡm7という2つのサブドミナント・コードが続けて用いられています。

このように同じ和音機能のコードを続けて用いること、いわゆる連用もできるのです。

なお、トニックの連用ではⅠ△7→Ⅵm7、サブドミナントの連用ではⅣ△7→Ⅱm7 の順番となっていることに

注目して下さい。この逆の進行、すなわちⅥm7→Ⅰ△7というトニックの連用、Ⅱm7→Ⅳ△7というサブドミナントの連用は、ふつうあまり見られません。