総合音楽講座 > 第7回 バッハ インベンション第2番 > P3

さて、今度は左手のパートだけを最初から22小節まで聴いていきましょう。

楽譜を切り替える

10小節目までは先ほど見たカノンの追行句を弾いていますが、11小節目からはちょっと新しいような?でもどこかで聞き覚えのある旋律です。

下の譜例をみてください。

楽譜を切り替える

1~10小節の上声を g moll に移調しました。

11小節目から下声部はこの旋律を弾いているのです。

ところが、最初の2つの音が(譜例のように) sol → fa♯ ではなく、mi♭→ fa に変わっているので、この旋律が登場したことにすぐには気づかず、途中で「あれっ?これって…」と思うのです。

のちほど(page 7で)触れますが、この部分はバッハの技が光っているところで、微妙な音づかいでニュアンスを出しながら、精巧な仕組みをつくっているところです。