総合音楽講座 > 第8回 ピタゴラスと平均律とトランペット > P3

平均律

次に、平均律はどのように作られているかについて、説明しましょう。

19世紀半ばになり、全ての調が同じ半音階を持つように、ピアノは平均律で調律されるようになりました。

もちろん、奏者や調律師の好みで、全てが均等に12音並んでいるわけではないようですが、理論上の半音の振動数比は、2の12乗根(12回掛け合わせと2になる数字)で12√2と書きます。小数に直すと、1.0594630943592952645618252949461...と、どこまで行っても割り切れません。

そもそもハーモニーが合う(共鳴する)というのは、振動数比が整数で表すことができる事なので、理論上の平均律は、どの音をとっても、全くハーモニーしないのです。

平均律の振動数比は以下の通りです。(2の12乗根を 1.0594631 とみなして計算)

C 2 2
H xの11乗 1.887749
B xの10乗 1.781798
A xの9乗 1.681793
A♭ xの8乗 1.587401
G xの7乗 1.498307
F♯ xの6乗 1.414214
F xの5乗 1.334840
E xの4乗 1.259921
E♭ xの3乗 1.189207
D xの2乗 1.122462
C♯ x 1.0594631
C 1 1

ちょっと脱線しますが、2の平方根は皆さんご存知ですね?

「ひとよひとよにひとみごろ」と憶えた数字です。√2 = 1.41421356...

これは、平均律の場合、増4度(例えば C と F♯)の振動比率になります。